THE FX QUEST OF NOMURA
【冒険の前に】FXは為替変動により元本を上回る損失が生じるおそれがあります。本サイトは情報提供が目的で、特定取引の勧誘ではありません。数値・制度は作成時点で確認した一般的な整理で、最新の水準は各社公式でご確認ください。装備(資金)は無理のない範囲で。
ホーム > 記事一覧 > モンスター図鑑
― モンスター図鑑 ―

【豪ドルの後ろ盾】輸出の33.3%は中国向け

最終更新:2026.09.25 ・ 7分の旅 ・ モンスター図鑑
大陸と海が描かれた世界地図のイラスト

豪ドルという相棒を連れて旅に出るなら、その財布を誰が満たしているかを知っておきたい。オーストラリアの輸出の33.3%は中国向けで、2位の日本の13.0%を2倍以上引き離している。金融先物取引業協会が2026年3月26日に出した豪ドルの基礎資料には、その内訳が表で載っている。数字を順に拾いながら、豪ドルの値動きの裏に誰がいるのかを確かめていく。

輸出先の1位は中国、2位の日本の2.5倍

金融先物取引業協会の資料「オセアニア通貨の基礎知識~オーストラリア」は、オーストラリア外務・貿易省のデータをもとに、2024年度の輸出先と輸入先の上位10か国を並べている。オーストラリアの財政年度は7月1日から翌年6月30日までなので、2024年度は2024年7月から2025年6月の1年ぶんにあたる。

順位輸出先輸出額(億豪ドル)シェア
1中国1,70433.3%
2日本66513.0%
3韓国3887.6%
4米国3667.1%
5インド2394.7%

1,704億豪ドルを665億豪ドルで割ると、2.56倍になる。3位の韓国と4位の米国を足しても754億豪ドルで、中国1国の半分にも届かない。輸入の側でも中国は1位で、1,141億豪ドル、シェアは26.0%だった。売る相手としても、買う相手としても、中国が最大の取引先ということだ。

カンガルーの親子のイラスト

売っているのは、鉄鉱石と石炭

中身を見ると、なぜ中国なのかが分かる。同じ資料の品目別の割合(2025年)では、鉄鉱石・鉱物が36%、石炭が14%、その他の鉱物性燃料が16%。資源だけで輸出の6割を超える。農産物は17%、非貨幣用の金が13%だった。

鉄鉱石は製鉄の原料である。世界で最も多く鉄鉱石を輸入しているのが中国で、資料の注記によれば輸入額ベースで世界全体の約7割を占める。中国向けは、オーストラリアの鉄鉱石輸出の約6割にあたり、逆に中国は鉄鉱石輸入の約7割をオーストラリアに頼っている。武器屋にたとえるなら、店の売上の大半を1人の常連が支えていて、その常連も仕入れの大半をこの店に頼っている関係だ。

黒い石炭の塊のイラスト

対中の鉄鉱石輸出は、2年で1.6倍に膨らんだ

金額は値段とともに大きく動く。対中の鉄鉱石輸出額は、2019年の790億豪ドルから2021年には約1,300億豪ドルまで増えた。2年で約1.6倍である。資料は、この伸びが主に鉄鉱石価格の上昇によるものだとしている。その後は価格が下がり、2025年は864億豪ドルになった。

輸出量のほうは高い水準を保っているという。つまり、同じ量を売っていても、値段しだいで入ってくる豪ドルの額が数百億単位で変わる。ここが資源国の通貨を読むときの厄介なところだ。

関係がこじれた年もある

豪中の関係は、ずっと平穏だったわけではない。資料によると、2017年ごろから関係の悪化が表に出始め、2020年にはオーストラリアが新型コロナウイルスの発生源などについて独立調査を求めたことをきっかけに、中国が大麦、ワイン、石炭など複数の豪州産品に輸入規制をかけた。

2023年以降、中国は大麦や石炭など一部の規制を段階的に解いている。政治で揉めても鉄鉱石の取引は止まらなかった、というのが数字から読めることだ。一方で、中国向けのシェアはピーク時の4割超から3割程度まで下がり、日本や韓国、インドへの輸出が広がっている。

荷物を船に積んで輸出する様子のイラスト

資源の値段と豪ドルは、いつも一緒には動かない

ここで早合点しないでおきたい。鉄鉱石が上がれば豪ドルも上がる、と単純には言えない。資料はIMFの一次産品価格指数と豪ドル相場を並べ、長い目で見れば一定の連動があると認めつつ、近年はその関係がはっきりしないと書いている。

例として挙げられているのが2021年から2022年だ。世界的に資源価格が上がり、一次産品価格指数は大きく上昇した。それでも豪ドルは比例して上がらず、1豪ドル=0.6〜0.7米ドル台のレンジで推移した。米国との金利差や、世界のリスク選好、中国経済の動きといった資源以外の要因が、豪ドルに効くようになっているという。

見る数字資料に載っている値読み方
対中輸出のシェア33.3%(2024年度)中国の景気が輸出額に響く度合い
対中の鉄鉱石輸出額790億→約1,300億→864億豪ドル価格で数百億単位が動く
豪ドルの取引高1日467億ドル・シェア4.9%(2025年)世界6位の取引規模
対円の水準近年は60円〜110円程度かつては400円を上回った時期もある

勇者の心得:豪ドルを持つ前に見る3つの数字

  1. 中国の景気の数字を、豪ドルの材料として見よ。輸出の3分の1が向かう先で、しかも鉄鉱石という1品目に偏っている。
  2. 鉄鉱石の値段を見ても、そこで止まるな。2021〜2022年のように資源高でも豪ドルが伸びなかった時期がある。金利差と世界のリスク選好も並べて見る。
  3. 中国向けのシェアが動いていないかを、年に1回確かめよ。4割超から3割程度へ下がったように、依存の度合いそのものが変わっていく。

豪ドルは、カンガルーの国の通貨でありながら、その財布の3分の1は北の大国とつながっている。相棒の機嫌を知りたければ、相棒だけでなく、相棒の一番の取引先の顔色も見ておく。それが豪ドルと長く旅をする者の作法だ。

コンテナを積んで海を進むコンテナ船のイラスト

最終更新:2026年9月25日

よくある質問(FAQ)

オーストラリアの最大の輸出先はどこですか

中国である。金融先物取引業協会の資料によれば、2024年度の輸出額は中国向けが1,704億豪ドルで、全体の33.3%を占める。2位は日本の665億豪ドル(13.0%)、3位は韓国の388億豪ドル(7.6%)だった。

オーストラリアは中国に何を売っているのですか

中心は鉄鉱石である。中国向けはオーストラリアの鉄鉱石輸出の約6割を占め、中国も鉄鉱石輸入の約7割をオーストラリアに頼っている。輸出全体では、鉄鉱石・鉱物が36%、石炭が14%(2025年)を占める。

鉄鉱石が上がれば豪ドルも上がりますか

必ずそうなるとは限らない。長期では一定の連動が見られる一方、2021〜2022年は一次産品価格指数が大きく上がっても、豪ドルは1豪ドル=0.6〜0.7米ドル台にとどまった。金利差やリスク選好など資源以外の要因も効いている。

中国への依存は下がっていますか

割合では下がっている。資料によると、商品輸出に占める中国向けの割合はピーク時の4割超から3割程度になり、日本、韓国、インドなどへの輸出が広がっている。それでも最大の輸出相手国であることは変わらない。

語り部ノムラ勇者ノムラの冒険を記録する語り部。FXを物語になぞらえ、低レバ・少額で一歩ずつ。制度・数値は公式の一次情報を確認して綴ります。
本記事は情報提供を目的とした読み物であり、特定の取引や金融商品の勧誘ではありません。輸出入額・シェア・品目別の割合・鉄鉱石の輸出額・取引高は、一般社団法人金融先物取引業協会「オセアニア通貨の基礎知識~オーストラリア」(2026年3月26日掲載・https://www.ffaj.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/20260326_Australia.pdf)の記載を2026年9月25日に確認して作成しています。倍率は当サイトの計算です。貿易の数字は過去の集計で、将来の為替相場を示すものではありません。FXは為替変動により預けた資金を上回る損失が生じるおそれがあります。判断はご自身の責任で、装備(資金)は無理のない範囲で。イラスト:いらすとや。当サイトはアフィリエイト広告を利用する場合があります。

← 記事一覧(冒険の書)へ