選択型のシステムトレードとは、勇者が自分で呪文を編むのではなく、既に書かれた戦術書を棚から選んで持ち出す戦い方である。棚はどう仕切られ、どの巻がどんな性格をしているのか。フジトミ証券のシストレセレクト365を例に、2026年9月5日時点の公開情報で確かめた。
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棚に並ぶのは、キャラクターの名前が付いた戦術書だ。フジトミ証券のストラテジー紹介ページでは、これがコツコツ型と一発型の2系統に分けて掲げられている。
この2つは、狙う利益の大きさと勝ち方が違う。同社はコツコツ型を「小さな利益をコツコツと積み上げていくタイプ」と説明し、勝率50%以上という性格を挙げている。一発型は「一度に大きな利益を狙う」タイプで、損小利大・勝率低めと位置づけられている。
| 型 | 棚に並ぶ名の例 | 公式に書かれた性格 |
|---|---|---|
| コツコツ型 | アンリ/カレン/ケント/サヤ/セラ ほか | 小さな利益を積み上げる。勝率50%以上 |
| 一発型 | アイバン/アカリ/エマ/カイト/ソラ ほか | 一度に大きな利益を狙う。損小利大・勝率低め |
2026年9月5日に数えた時点では、一発型の側が長い列になっていた。勝率の低さを、当たったときの幅で取り返す設計が多いということだ。棚の顔ぶれは入れ替わるので、勝率だけで並べ替えて下半分を切り落とす前に、両方の型を数えてから決めろ。
型の分類は、利益の取り方だけではない。同社はもうひとつ、相場の形による分類も置いている。
ひとつがカウンタートレード型。同社は「レンジ相場が得意な」型と説明している。価格が一定の幅を行き来する場面で力を出す。もうひとつがトレンドフォロー型で、こちらは一方向へ進む相場に合わせて作られている。
相場は毎日その姿を変える。得意な地形が違う武器を、地形を見ずに持ち出せば、それは装備ミスだ。
戦術書の中身をどこまで読めるのか。ここは正直に書いておく。
同社の重要事項には「各ストラテジーの売買判断基準はそれぞれのストラテジー画面に表示のテクニカル指標により機械的に判断されますが、利用しているテクニカル指標のパラメータ等の詳細は公表しておりません」とある。使う指標の名前までは見えるが、細かい設定値は見えない。
選択型で戦える戦場は絞られている。シストレセレクト365の対象は米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円の4通貨ペアだ。同社は「流動性が多い4通貨ペアを取り扱っています」と説明する。
4つの気性も、同じページに書かれている。
| 通貨ペア | 公式ページに書かれた特徴 |
|---|---|
| 米ドル/円 | 日本国内の取引で最も取引量が多い。初心者から上級者まで幅広く人気 |
| ユーロ/円 | 欧州の政治経済の動向を反映しながら、比較的活発な値動き |
| 英ポンド/円 | 非常にボラティリティが高い。価格変動が大きい分、高度なリスク管理が求められる |
| 豪ドル/円 | 資源価格や中国経済の動向に左右されることが多い |
英ポンド/円だけ、注意書きの語調が明らかに違う。高度なリスク管理が求められると書かれた戦場に、勝率の低い一発型を放り込めば、旅の資金は早々に尽きる。
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採用の関門も公開されている。同社は提供する全ストラテジーについて、システムトレード事業部と分析者によるインサンプルテストおよびアウトオブサンプルテストの結果を基に採用していると書いている。
それぞれの意味も、同じページの注記にある。インサンプルテストは「過去のデータを使って、ルールや設定を調整するテスト」。アウトオブサンプルテストは「インサンプルテストで調整したルールが新しいデータでもうまくいくか確かめるテスト」。
調整に使った過去だけで判定しない。この2段構えが、棚に並ぶ条件になっている。
戦術書は1冊に限らない。同社は複数のストラテジーを選んで稼働できるとしており、1つを複数枚動かすよりもリスクを分散させる効果が期待できると書いている。
ただし但し書きが付く。「相場の状況によっては、想定以上の損失となる場合もあります」。分散は損失を消す魔法ではない。
もうひとつ、意図せず起きる状態がある。重要事項には「同じ銘柄の異なるストラテジーを稼働させる場合、両建てになることがあります」と書かれている。同じ戦場に、逆向きの兵を同時に置く形だ。
棚には各書の過去成績が並ぶ。ここで足をすくわれないための注記が2つある。
ひとつ。同社は、各ストラテジーの運用成績が売買サイン生成時の価格および時間をもとに算出されたもので、実際に約定した価格や時間とは異なる場合があると明記している。同じストラテジーでも、表示された成績と自分の損益には差が生じるという説明だ。
もうひとつ。「ストラテジーの運用成績には、スワップポイントは加味されておりません」。数字に含まれていないものがある。
ストラテジーの運用成績は、将来の運用成果を保証するものではなく、相場の状況によっては、過去の運用成績を大きく下回るおそれがあります。
フジトミ証券「ストラテジー紹介」の重要事項より(2026年9月5日確認)
装備の性能を見る前に、装備の説明書の注釈を読む。遠回りに見えて、これがいちばん短い道だ。武器そのものの選び方は取引所FXを扱う会社の比べ方にも記した。
フジトミ証券のシストレセレクト365では、2026年9月5日時点でキャラクター名の付いた戦術書がコツコツ型と一発型の2系統に分けて公開されている。同社はコツコツ型を「小さな利益をコツコツと積み上げていくタイプ」、一発型を「一度に大きな利益を狙う」タイプと説明している。掲載数は入れ替わるので、最新は公式ページで数えてほしい。
得意な相場が違う。同社はカウンタートレード型を「レンジ相場が得意な」型と説明し、トレンドフォロー型はトレンド相場向きと位置づけている。価格が行き来する相場と、一方向へ進む相場のどちらに合わせて作られているかの差である。
4つだ。米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円で、同社は「流動性が多い4通貨ペアを取り扱っています」と説明している。英ポンド/円については「非常にボラティリティが高く」「価格変動が大きい分、高度なリスク管理が求められる通貨ペア」と同社が明記した。
動かせる。ただし重要事項には「同じ銘柄の異なるストラテジーを稼働させる場合、両建てになることがあります」と書かれている。複数稼働はリスクを分散させる効果も期待できる一方、相場の状況によっては想定以上の損失となる場合もあるとされる。
ならない。同社は、各ストラテジーの運用成績が売買サイン生成時の価格および時間をもとに算出されたもので、実際の約定価格や時間とは異なる場合があると明記した。運用成績にスワップポイントが加味されていないという注記もある。